初めてバイオハザードをプレイしたのは、PS1本体と同時にバイオハザード2を購入したときのことです。暗いラクーン警察署、唸り声を上げてくるゾンビ、限られた弾薬を何度も数えなおしながら廊下を歩いたあの緊張感——。あの頃の衝撃は今でも忘れられません。
あれから約30年。『バイオハザード レクイエム』は、その名の通り「レクイエム(=鎮魂歌。故人への追悼の意を込めた音楽)」として、長年のバイオファンへ深く刺さる作品でした。
本記事では、プラチナトロフィーを取得するまで60時間以上プレイした筆者が、忖度なしの本音レビューをお届けします。
『バイオハザード レクイエム』総評
| 総合評価 | 80/100点 |
|---|---|
| ストーリー・キャラクター | |
| グラフィック・サウンド | |
| ホラー(怖さ) | |
| アクション | |
| やりこみ度 |
序盤の完成度が圧倒的です。グラフィックとサウンドはシリーズ史上最高峰。
一方でストーリー後半の物足りなさと、クリーチャー・ボスの少なさが惜しいところでした。「序盤で感動し、後半でやや落胆する」という印象のゲームです
『バイオハザード レクイエム』概要── 「恐怖」と「爽快感」の二刀流
| タイトル | バイオハザード レクイエム |
| 発売日 | 2026年2月27日 |
| 開発・発売 | カプコン |
| 対応機種 | PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch 2 / PC(Steam・Epic) |
| ジャンル | サバイバルホラーアクション |
| クリア時間目安 | 約10〜14時間(標準難易度) |
本作のキャッチコピーは「息詰まる緊張感と震い慄く恐怖、そして死を打ち倒す爽快感」。
グレースは移動も遅く弾薬も少なく体術も弱いキャラクターで、戦闘を避けたり攻撃を受けながら逃げるプレイが求められる。一方、レオンはバイオ4のように銃も体術も強く、倒した敵から弾薬がドロップし、パリィまでこなせる。グレースで溜まったストレスを、レオンで発散するというよくできたゲームシステムになっています。
「恐怖から爽快感へ」という構造そのものが、バイオハザードシリーズが辿った歴史を体現するものであり、「シリーズ30周年記念作品」であることがプレイヤーに直感的に伝わる内容に仕上がっています。
なお、筆者はYouTubeにてストーリー特化型の「観るゲーム」動画を公開しています。
自分でプレイするのが難しい方やストーリーをじっくり味わいたい方は、記事とあわせてぜひ。
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良かった点:プレイして感じた3つの魅力
序盤の診療所エリア:シリーズ史上屈指のサバイバルホラー体験

本作最大の功績は、ゲーム序盤の「ローデスヒル診療所」です。このエリアだけで言えば、バイオハザード2やRE2リメイクにも匹敵する——いや、ある意味凌駕するかもしれない密度と怖さを誇っています。
薄暗い廊下、ドア越しに聞こえる異音、そして常に足りない弾薬。主人公グレースを操作しながら、本能的な「帰りたい」という気持ちと「先を見たい」という好奇心が葛藤し続けました。
これぞサバイバルホラーという体験がぎっしり詰まっています。
🔰 初心者向け用語解説:サバイバルホラーとは?
限られた弾薬やアイテムを管理しながら、強敵を避けたり倒したりしてゲームを進めるジャンルです。「怖さ」と「資源管理の緊張感」が組み合わさっているのがサバイバルホラーの醍醐味。バイオハザードはこのジャンルを代表する作品のひとつです。
グラフィックとサウンド:現世代機の限界に挑む映像美

グラフィックはまごうことなくシリーズ最高峰です。キャラクターの表情や汗、荒廃したラクーンシティの細部に至るまで作り込まれており、廃病院の壁の染み、鉄格子に絡まった蔓、雨に濡れたアスファルトの照り返しなど、すべてが「そこに存在している」質感を持っています。
サウンドデザインもほぼ文句のつけようがありません。低音で迫るBGM、ゾンビの這いずる音、扉の先から聞える不快音——ヘッドフォンを使って遊ぶことを強くおすすめします。
ラクーン警察署のノスタルジア:ファンへの最高の贈り物

バイオ2・RE2をプレイしたことがある方にとっては、ラクーン警察署のシーンが胸に刺さるはずです。当時の記憶がフラッシュバックしながら、「ああ、またここに来た」という感慨が自然と湧いてきました。シリーズ30周年作品として、このような演出をカプコンが用意してくれたことには素直に感謝しています。
物足りなかった点:後半失速と前作超えへの壁
診療所後のクオリティ低下:良ゲームにはなるが傑作ではなくなる
診療所パートが終わった後、このゲームの顔つきが変わります。緊張感のある探索から、やや広い舞台でのアクション寄りな展開へと移っていきます。これ自体は悪くないのですが、序盤の「密室で追い詰められる恐怖」が薄れてしまうのが惜しいところです。
後半部分で特に気になったのが、難解な謎解きや強いクリーチャーが登場するのでなく、『大量のクリーチャーや敵を配置しただけ』という雑な難易度設定が残念でした。
サバイバルホラーとして序盤が10点なら、後半は6点といった印象でした。「良ゲーム」ではあるのですが、「傑作か?」と聞かれると素直に頷けなくなります。
RE2・RE4との比較:前作を超えたとは言い切れない
ホラーの純粋な怖さで言えばRE2リメイクを、アクションの爽快感ではRE4リメイクを超えていない、というのが正直な感想です。どちらの要素も「水準以上」ではあるのですが、どちらかに特化していた前作たちに比べると、中間地点を狙いすぎた印象を受けます。
またキャラクターの操作感もグレース・レオン共に、過去作と比べてもっさりした動きになっている点も気になりました。
🔰 初心者向け:RE2・RE4リメイクって何?
「RE」はResident Evil(バイオハザードの海外名称)のリメイク作品を指します。
RE2(2019年発売)はサバイバルホラーの傑作、RE4(2023年発売)はアクションの傑作として高く評価されている作品です。本作はこの2作の後継にあたります。
クリーチャー・ボスの少なさ:もっと多様性が欲しかった
ストーリーのボリューム自体は問題ありません。しかし、登場するクリーチャー(=怪物・敵キャラクター)やボス(=各エリアの強力な中ボス・ラスボス)の数が少なく、後半になると「またこいつか」という感覚が生まれてきます。RE4リメイクのような、章ごとに新しい脅威が待ち受けるワクワク感が少ない点は、やりこんだプレイヤーほど気になるところです。
ラクーンシティの集大成であれば、バイオハザード1やRE:3の代表的なクリーチャーである『ハンター』も登場して欲しかったと感じます。
こんな人におすすめ・おすすめしない
こんな人には強くおすすめします
- バイオ2・RE2が好きで、あの雰囲気をまた味わいたい人
- グラフィックと音楽が最高水準のゲームを体験したい人
- やりこみ・トロフィー収集が好きな人
- 縛りプレイ等の自分で制限を設けて遊ぶことが好きな人
こんな人には合わないかも
- RE4リメイク並みの爽快アクションを期待している人
- 後半まで一貫した高テンションを求める人
- バイオシリーズ未経験で前知識ゼロの人(ストーリーが分かりにくい場合あり)
📸 今後のアップデート情報 ── フォトモードほか追加コンテンツが続々
最新情報(2026年3月10日発表)
ディレクター・中西晃史氏が公式Xに動画メッセージを公開し、要望の多いフォトモードの追加、5月頃に予定している「ちょっとしたミニゲーム」、さらに追加ストーリーコンテンツの制作決定を発表されました。
本作のグラフィックの美しさは折り紙付きだけに、フォトモードの追加は楽しみです。
一部ハイエンドPCに実装されたパストレーシングが生み出す光と影の美しさをスクリーンショットに切り取れるようになるのを楽しみに待ちたいですね。
追加ストーリーコンテンツについては「世界を更に掘り下げて楽しめる内容を目指して開発中」とのこと。ストーリー評価が物足りなかっただけに、グレースやレオン、その他の登場人物をさらに深掘りした内容を期待したいところです。
今後の追加コンテンツ(判明分)
- フォトモード追加(時期未定・近日中)
- ミニゲーム追加(2026年5月頃予定)
- 追加ストーリーコンテンツ(開発中・詳細未定)
- バグ修正・快適性向上アップデート(継続中)
※2026年3月22日での情報
総評:序盤は紛れもない傑作、後半は惜しい良作
PS1時代からバイオを追いかけてきた筆者にとって、『バイオハザード レクイエム』は複雑な気持ちを残すゲームでした。
序盤の「ローデスヒル診療所」は、バイオ2への原点回帰とも言えるサバイバルホラーの真髄を見せてくれました。グラフィックとサウンドはシリーズ最高峰と断言できます。
一方で、診療所を抜けた後の展開にはどうしても物足りなさが残ります。
RE2の純粋な怖さを、RE4の爽快なアクションを、それぞれ超えるものを期待していたのは、長年のファンとして少し贅沢な望みだったのかもしれません。
それでも——60時間遊んでプラチナを取れたことが、このゲームの底力を証明しています。
「序盤だけなら傑作」ではなく、「トータルでも十分に楽しめる良作」です。シリーズを愛するプレイヤーの皆さんに、30周年のこの一本をぜひ手に取っていただきたいと思います。
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