コール オブ デューティ(以下CoD)シリーズといえば、現代戦や近未来戦を舞台にした作品が長らく続いていました。しかし2017年にリリースされた『コール オブ デューティ ワールドウォーII(WWII)』は、シリーズの原点とも言える第二次世界大戦へと舞台を戻した作品です。
ジェットパックで空中を飛び回ったり、SF的な兵器を駆使したりといった派手な演出が続いていたCoDシリーズに、「泥臭いリアリズム」を取り戻そうというコンセプトのもと制作されたこのタイトル。当時は発売前から多くのファンが期待を寄せていました。
筆者が本作を遊んだきっかけは、第二次世界大戦を題材にした映画を観たことでした。たとえば、帰ってきたヒトラーやプライベート・ライアンです。前者はブラックユーモア作品ですが、後者のノルマンディー上陸作戦の描写には圧倒されました。
「映画のような臨場感を、ゲームでも体験してみたい」
今回は、そのキャンペーンモード(ひとり用のストーリーモード)を実際にプレイしてみた感想を、良かった点・気になった点も含めて正直にお届けします。これからプレイを検討している方の参考になれば幸いです。
『CoD:WW2』総評
| 総合評価 | 80/100点 |
|---|---|
| 世界観・グラフィック | |
| ストーリー | |
| キャラクター | |
| サウンド | |
| やりこみ度 |
第二次世界大戦の実歴を忠実に再現したシューティングゲーム。派手な演出に頼るだけでなく、人間ドラマとして丁寧に描かれており、ゲームを通じて「戦争とは何か」を考えさせてくれる深みが感じられる作品。
※本記事はキャンペーンモードのみを対象にしたレビューコラムです。
圧巻の臨場感!『CoD: WWII』が描く第二次世界大戦

本作のキャンペーンは、1944年のノルマンディー上陸作戦(Dデイ)から始まり、爆撃の轟音、飛び散る土砂、銃声の反響――視覚と聴覚の両面から戦場の緊張感が伝わってきます。
主人公はロナルド・”レッド”・ダニエルズという若いアメリカ兵。テキサス出身の一般市民が徴兵されてヨーロッパ戦線に赴く、という設定はとても等身大で感情移入しやすいものになっています。
ダニエルズはアメリカ陸軍第1歩兵師団、通称「ビッグ・レッド・ワン」に所属し、仲間たちとともにナチス・ドイツとの激しい戦いに身を投じていきます。ストーリーは西部戦線(ヨーロッパの西側を中心とした戦場)を舞台に進んでいき、「バルジの戦い」や「レマーゲンの戦い」など歴史上の有名な作戦や戦闘が次々と登場します。

ネタバレは避けますが、本作は単なる戦争アクションに留まらず、「戦場における人間ドラマ」に力を入れた作品です。仲間との絆、命の重さ、戦争の理不尽さといったテーマが丁寧に描かれており、ゲームを進めるにつれて物語に引き込まれていきました。
魅力的なキャラクターたち|個性豊かな戦友との絆
本作の大きな魅力のひとつが、個性豊かな仲間キャラクターたちです。主人公ダニエルズとともに戦う分隊のメンバーはそれぞれに背景や性格が異なり、会話や行動を通じてキャラクターの深みが伝わってきます。
ロナルド・“レッド”・ダニエルズ上等兵

本作の主人公。テキサス出身の純朴な青年です。戦場の過酷さに直面しながらも、故郷に待つ恋人への想いと、仲間への忠誠心を支えに戦い抜きます。銃を撃つことにトラウマを抱えながら第二次世界大戦の戦場を駆け抜けていきます。
ロバート・ザスマン上等兵

ダニエルズの親友であり、最も信頼できる相棒。皮肉屋ですが誰よりも仲間思いで、彼の存在が物語の大きな軸となります。
ジョセフ・ターナー中尉

厳格でありながらも部下を大切にする熱い男。それ故に、部下のピアソンと対立する。
ウィリアム・ピアソン軍曹

非常に厳格で、任務遂行のためには部下の命を顧みないようにも見える冷徹な上官。彼との確執と、その裏に隠された過去も大きな見どころです。
ちなみにキャラクターのモデルは、映画『トランスフォーマー』に出演したジョシュ・デュアメルが演じています。
さらに、フランス人レジスタンスのメンバーや、異なるバックグラウンドを持つ兵士たちとも絡むシーンがあり、戦争という極限状態の中でさまざまな人間模様が交差していきます。キャラクターひとりひとりに感情移入できるよう丁寧に作られており、ストーリーへの没入感を高めてくれています。
良かった点①:圧倒的なリアリティで体感する第二次世界大戦

本作を語る上でまず外せないのが、第二次世界大戦の「リアルな空気感」です。ノルマンディー上陸作戦の凄絶な海岸への突撃、ヒュルトゲンの森での消耗戦、バルジの戦いの極寒の雪原など、歴史の教科書で名前を見たことのある場面が、圧倒的なグラフィックと音響で目の前に広がります。
砲弾が飛び交う爆音、土煙の舞う戦場、味方の叫び声……五感に訴えかけてくるような演出の数々は、まさに「あの時代の戦場」にいるような感覚を覚えさせてくれました。単に「かっこいい戦争ゲーム」ではなく、戦争の過酷さや悲惨さも包み隠さず描いている点が、本作の誠実なところだと感じます。
歴史好きの方はもちろん、第二次世界大戦についてあまり詳しくない方でも、ゲームを通じてその時代に起きたことを肌で感じられる体験ができます。エンターテインメントとしてだけでなく、歴史を知る入り口としても優れた作品だと言えるでしょう。
良かった点②:リアル寄りのゲームシステムが生む緊張感

本作はゲームシステム(遊び方のルール)の面でも、リアリティを重視した設計になっています。以前のCoDシリーズには「体力が自動回復する」システムが採用されていましたが、本作では戦場で衛生兵(医療を担当する兵士)に回復してもらう必要があります。体力を回復するためには、自分から衛生兵のもとへ駆け寄るか、衛生兵が近くにいる状況を作り出す必要があり、漫然と戦い続けることができません。
また、弾薬の補充も自動ではなく、弾薬を持つ仲間からわけてもらうシステムになっています。「あと少しで敵を倒せる」という場面で弾が切れる焦りや、仲間と連携することの重要性が自然と生まれてくる仕組みです。
こうした設計によって、プレイヤーは常に周囲に気を配りながら戦う必要があり、一作戦ごとの緊張感が格段に高まっています。「無双ゲー」ではなく、じっくりと戦略を考えながら進む手応えのある体験が楽しめました。
悪かった点:ステルスシーンの多さがテンポを損なう

良い点が多い本作ですが、正直に気になった点もお伝えします。それはキャンペーン中に登場するステルスシーンの多さです。
ステルスミッション自体は、変化があって良いと感じる方もいるかと思います。しかし本作では、敵に一度見つかるとミッション失敗になるシーンが複数あり、何度もやり直しを強いられる場面がありました。銃撃戦の爽快感やテンポの良さを楽しみたいCoDシリーズのファンにとっては、この「止まる感覚」が少々ストレスになる可能性があります。
特にステルスに慣れていないプレイヤーにとっては難易度が高く感じられ、ゲーム全体のテンポが途切れてしまう印象を受けました。ステルスシーンの数や難易度をもう少し調整してくれると、より多くのプレイヤーにとって快適な体験になったのではないかと思います。あくまで個人的な意見ですが、銃撃戦メインのアクションを期待している方は、この点を念頭に置いてプレイすると良いでしょう。
総評:歴史の重みを感じさせる、骨太な戦争体験
『CoD:WW2』のキャンペーンモードは、シリーズの原点回帰という挑戦を見事に果たした作品だと感じました。第二次世界大戦の空気感を圧倒的なリアリティで再現しつつ、ゲームシステムもリアル寄りに調整することで、一発一発の重みと仲間との連携の大切さを体で覚えるような体験ができます。
ストーリーは派手な演出に頼るだけでなく、人間ドラマとして丁寧に描かれており、ゲームを通じて「戦争とは何か」を考えさせてくれる深みがあります。ステルスシーンの多さによるテンポの悪さは惜しい点ですが、それを差し引いても十分に満足度の高い作品でした。
歴史や戦争をテーマにしたゲームが好きな方、CoDシリーズをかつて楽しんでいた方、あるいは第二次世界大戦に少しでも興味がある方には、ぜひおすすめしたい一本です。キャンペーンだけで十分に遊びごたえがありますので、まずはそこから手を付けてみてください。
なお、実際のプレイ映像や詳しい感想は、私のYouTube動画でも紹介しています。
ブログとあわせてご覧いただければ、より臨場感が伝わると思います。
映画からゲームへ――。
その一歩として、本作は間違いなくおすすめできる一本です。
※本記事はキャンペーンモードのみを対象にしたレビューコラムです。

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